お客さまにまた来てもらうには:飲食店のリピーター対策
飲食店の顧客維持とは、一度来てくれた人にまた来てもらい、それを続けてもらうことです。このガイドはレストラン、カフェ、ベーカリー向けに、毎月の簡単な振り返りで再来店を測る方法、許可を得て連絡先を集める方法、また来る理由のつくり方、迷惑にならない案内の仕方、来なくなったお客さまへの対応を説明します。
お店にとって顧客維持が大切な理由
飲食店は繰り返しの来店で成り立っています。週に3回コーヒーを買いに来るお客さまは、一度だけ立ち寄る観光客よりもずっとお店の売上を支えています。
2014年のHarvard Business Reviewの記事で、Amy GalloはBain & CompanyのFrederick Reichheldの研究を引用し、顧客維持率を5%上げると利益が25%から95%増えると紹介しています。同じ記事では、研究や業界によって差はあるものの、新規顧客の獲得には既存顧客の維持の5倍から25倍のコストがかかるとしています。さまざまな業種の数字なので、目安として扱い、ご自身のお店の数字を測りましょう。
再来店しているお客さまを知る
顧客維持を考えるには、お客さまごとに2つのデータが必要です。頻度(一定期間に何回来たか)と、最終来店からの日数(最後の来店から何日たったか)です。
レシートには売上が残りますが、誰が買ったかは残りません。来店を名前と結びつける仕組み、たとえば登録式のスタンプカードが必要です。紙のカードではこのデータが残りません。選択肢の比較はベーカリー向けのガイドにまとめています。
20分でできる毎月の振り返り
- その月の来店をお客さまごとにまとめます。
- 2回以上来たお客さまの数を数えます。この数を前月と比べたものが、いちばん大事な指標です。
- よく来ていたのに30日以上来ていないお客さまに印をつけます(ディナー中心のレストランなら、期間をもっと長くしてもかまいません)。
- 先月の新規のお客さまが再来店したかを確認します。
- 翌月に取り組むことを1つだけ決め、また振り返ります。
| グループ | 特徴 | すること |
|---|---|---|
| 常連 | 毎週来る | 顔を覚えて、名前で挨拶する |
| ときどき来る | 月に1、2回 | 次の来店につながる具体的な理由を伝える |
| 新規 | 今月が初来店 | 連絡先をうかがい、カードについて説明する |
| 離脱の恐れ | よく来ていたのに30日以上来ていない | 個別のメッセージで呼び戻す |
仮の数字で考えます。9月に2回以上来たお客さまが120人、10月は105人だったなら、売上が同じに見えても常連を15人失っています。
許可を得て連絡先をうかがう
何かを知らせるには連絡先が必要です。自然なタイミングは初来店のときです。お客さまはスタンプカードに登録し、名前と携帯番号を入力して、お店からのメッセージの受け取りに同意します。何を送るのかを一言で説明しましょう。
集めるのは、使う予定の情報だけにします。名前、WhatsApp、誕生日、登録した店舗です。
たとえばClub Cardでは、会員ごとの名前、WhatsApp、店舗がブランドの管理画面に記録され、そのデータはお店のものです。実際のお店での使われ方はGiorgini Panetteriaの導入事例でご覧いただけます。
また来る理由をつくる
人は商品と接客のためにまた来ます。プラスアルファの理由は、次の来店を早めるためのものです。
- スタンプカード。 来店1回でスタンプ1つ、カードがたまったら特典。数週間で届く目標が向いています。作り方と費用はデジタルスタンプカードのガイドに、目標と特典の選び方はカフェのロイヤルティプログラムのガイドにあります。
- 誕生日。 その週に使える特典を添えたお祝いのメッセージ。
- 季節のメニュー。 夏の冷たいドリンクのように数週間だけの商品があると、終わる前に来る理由になります。
- 顔を覚えること。 スタッフが常連の名前やいつもの注文を覚えていることも来店の理由になり、費用もかかりません。
しつこくならないリマインド
WhatsApp Businessでお客さまに連絡する場合、WhatsApp Businessのメッセージポリシーは、番号を教えてくれてメッセージの受け取りに同意した人にだけ連絡するよう求めています。また、WhatsAppの中か外かを問わず、配信停止やブロックの依頼にはすべて応じることを義務づけ、メッセージの種類ごとに受け取りをやめる方法をはっきり説明するよう勧めています。ユーザーの側も、企業をブロックしたり報告したりできます。
- 連絡するのは、特典の準備ができた、誕生日だといった具体的な理由があるときだけにします。
- メッセージには毎回、配信停止の一文を入れます(「今後のご案内が不要な場合は『停止』と返信してください」)。
- 配信停止の依頼があったら、その日のうちにリストから外します。
メッセージを送らずに思い出してもらう方法もあります。カードをお客さまのスマートフォンに保存しておいてもらうことです。詳しくはGoogle WalletとApple Walletのガイドで説明しています。
接客と安定した品質
日によって味が変わるコーヒーを埋め合わせられるプログラムはありません。常連のお客さまが戻ってくるのは、何が出てきて、どれくらい待つかがわかっているからです。
- レシピと分量を書き出し、午後のシフトも午前と同じように作れるようにします。
- スタッフ全員が、カードを一言で説明できるようにします。レジで誰もすすめないプログラムは使われません。
- 何かがうまくいかなかったら、その場で解決します。作り直すか、次の1杯をサービスします。
口コミの上手な頼み方
Googleマップの口コミは、新しいお客さまにお店を見つけてもらう助けになります。Googleビジネスプロフィールのヘルプでは、GoogleのリンクやQRコードで口コミを依頼し、返信は簡潔にすることを勧めています。
Googleマップのコンテンツポリシーには明確な制限があります。お金、割引、無料の商品などの見返りと引き換えに、口コミの投稿を求めることは禁止です。低評価の口コミを控えるよう促すことや、高く評価してくれそうなお客さまだけに口コミを頼むことも認められていません。見返りのある口コミはGoogleマップから削除されます。
- たとえばレジやテーブルにQRコードを置き、すべてのお客さまに同じように口コミをお願いします。
- 口コミをスタンプ、特典、割引と結びつけないでください。
- 低評価の口コミには、事実と解決策を添えて返信します。
来なくなったお客さまを呼び戻す
毎月の振り返りで見つけた離脱の恐れがあるお客さまは、すでにお店を知っているので、いちばん呼び戻しやすい相手です。名前を入れ、日付のある具体的な内容を添えて、短い個別のメッセージを送りましょう。
メッセージの例:「Lauraさん、こんにちは。この1か月、お店でお見かけしていませんね。今週は、土曜日によくお買い求めいただいていたサワードウのパンがあります。日曜日までにお越しいただければ、コーヒーはサービスします。今後のメッセージが不要な場合は『停止』と返信してください」。
送るのは1回だけです。返事がなければ追いかけず、理由がわかればメモして(引っ越した、嫌な思いをしたなど)、翌月の振り返りで取り上げます。値上げなど同じ変化のあとに何人も離れていたら、そこに原因があります。
よくある質問
顧客維持はどのくらいの頻度で測ればいいですか?
ほとんどのお店は月1回で十分です。大切なのは、いつも同じ期間を、同じ常連の定義で比べることです。
Googleの口コミと引き換えにスタンプや割引を渡してもいいですか?
いけません。Googleマップのポリシーでは、口コミと引き換えに見返りを提供することを禁じており、見返りのある口コミは削除されます。口コミはすべてのお客さまにお願いし、スタンプは来店に対して付けましょう。
許可をもらっていないお客さまにWhatsAppで連絡してもいいですか?
WhatsApp Businessのポリシーでは、相手が番号を教えてくれて、メッセージの受け取りに同意していることが求められます。その許可がない場合は、次の来店時にお願いしましょう。
お客さまからメッセージを止めてほしいと言われたら?
その日のうちにリストから外します。WhatsAppは配信停止の依頼に応じることを義務づけています。メッセージを受け取らなくなっても、そのお客さまがお店に来なくなるわけではありません。